
みなさんは、一年で一番火災が多い季節を知っていますか?
・・・・そう、冬です!
主な理由として
- 暖房器具を使い始めるから
- 空気が乾燥するから
- 年末年始で慌ただしくなるから
といったことが挙げられます。
この記事では、そんな ”冬だからこそ気をつけないといけない火災” について解説します。
- 15年間で200件以上の火災に出場
- 火災の原因を調査する係に在籍
冬になって暖房器具を使い始めると、火災の危険性は高くなります。
小さなお子さんがいる家庭では、ストーブやヒーターを倒してしまう危険性もあります。
特に年末年始や季節の変わり目のような、世間が慌ただしくなる時期には注意が必要です。
とはいえ、いつも気を配ってるわけにはいかないですよね?
冬に起こる火災の原因は”冬だからこそ”起こるものばかりです。
それがどんな火災かを知っておけば、注意するポイントが見えてきます。
- 冬に多い火災が分かる
- その対策が分かる

冬に多いのはどんな火災??
冬は空気乾燥するので、火災が起きやすい季節です。
とくに風が強い日は燃え広がりやすくなるためとても危険です。
1年をとおして火災の原因で多いのは
- たばこ
- 放火
- こんろ

このワースト3は季節に関係なく、いつも気をつけなくてはいけません。
しかし、 冬はこれに加えて、気をつけないといけない火災が2つあります。
その火災とはズバリ、
- 暖房器具
- 収れん
の2つです。

大丈夫です。それぞれ解説していきます^^
冬に気をつける火災について解説
① 暖房器具
まずは暖房です。
秋から冬にかけて気温が下がり始めると、暖房器具を使う家庭が増えます。
と、それにあわせて暖房器具が原因の火災が増え始めます。
内容的にはこんな感じ
- 石油ストーブの上に洗濯物が落ちて火災になった
- ヒーターの目の前に置いていたものが燃えはじめた
- ハロゲンヒーターにカーテンが触れていて燃えた
- 寝ている間に石油ストーブに布団が接触して火災になった
- 灯油と間違えてガソリンを給油し、使ってしまった
暖房器具といっても色々なものがありますよね。
石油ストーブやファンヒーター、エアコンなどなど。
その中でも気をつけてほしいのはこちら
- ファンヒーター
- 石油ストーブ
- ハロゲンヒーター など
といった、石油を使うものや熱源が露出している暖房器具を使用する際には特に注意が必要です。

【参考動画】
特にハロゲンヒーターには注意!
特にハロゲンヒーターには注意が必要です。
ハロゲンヒーターはスイッチを入れると数秒ほどで暖かくなり、給油や換気が必要ありません。
とても便利なので、ハロゲンヒーターを使っている人も多いと思います。
しかし、だからこそ取り扱いには細心の注意をはらってください。
ハロゲンヒーターはランプと呼ばれる熱源の部分が露出しています。
このランプは非常に高温になります。
ここに布など、燃えやすいものが触れた状態が続くと簡単に燃え始めます。
それに、露出しているのでホコリが溜まりやすいです。
溜まっていたホコリに気づかず、使ってるうちにホコリが燃え始めるといったパターンもあります。
② 収れん
もうひとつ、冬に気をつけてほしいのは 「収れん火災」 です。

収れんというのは「一つにまとめる」という意味です。
子どものときに、メガネやルーペなどで光を集めて紙を焦がしたりしませんでしたか?
あれが「収れん」です。
あの現象が何かの理由で発生し、火災へと発展したものが「収れん火災」です。
この収れんという現象は、家にある身近なものでも引き起こされます。
たとえば、
- 化粧用の鏡
- 水の入ったペットボトル
- 水槽
- 水晶玉
- ステンレス性のボウル
- 車のアルミホイール など

収れん火災は統計的にそれほど件数が多いものではありません。
ですが、冬に気をつけたい火災として紹介したのには理由があります。
それは、 冬は収れん火災が発生しやすい季節だからです。
冬に発生しやすい理由
「日差しの強い夏の方が収れん火災って多いんじゃないの?」
と思うかもしれません。
しかし、冬の方が太陽の位置が低いため、部屋の奥まで光が差し込みます。
それによって、収れん火災が発生する確率も上がるというわけです。

【参考動画】
火災を起こさないための対策
では、これらの火災を起こさないための対策について考えていきましょう。
① 暖房器具
暖房器具による火災を起こさないための対策として思いついたものをまとめました。
- 暖房器具をつけっぱなしにしない
- 暖房器具の周りに燃えやすいものをおかない
- こまめに清掃をする
- ペットや小さなお子さんがいる家庭ではストーブガード(安全柵)を使う
- エアコンや床暖房を使用する
対策としては、日頃からキチンと手入れ(清掃)をして、暖房を使ってる間は管理する、という当たり前のことになるかなと思います^^;
エアコンや床暖房について
火災の危険性という点で考えると、エアコンや床暖房を使うというのも手かもしれません。
裸火を使うわけでも、熱源が露出しているわけでもないので火災の危険性は圧倒的に低いです。
というか、エアコンの”暖房機能”が原因で火災になった事例を僕は知りません・・。

もちろん、設備の導入費用や電気代、暖房性能など人によって色々とハードルはあると思います。
ただ、安全性という面でみるのであればエアコンや床暖房の方が優れているといえそうです。

安全装置について
多くの暖房器具には安全装置がついています。

でも、必ず正常に作動するかは別な話です。
というのも、火災はいくつもの偶然が重なって発生することが多いです。
なにかの理由で安全装置が作動しなかった、なんてことは少なくありません。
当たり前のことですが、暖房器具を使っている間はその使用者が気をつけることが一番大事です。
そもそも安全装置が作動する状況にならないことが一番ですからね^^

② 収れん
次に収れん火災を起こさないための対策をまとめました。
- 窓際にレンズの役割をするもの(メガネ、ペットボトル、水槽など)を置かない。
- カーテンなどで光を遮る
- 車内の光が当たる場所にメガネやペットボトルなどを置きっぱなしにしない
といった感じで、物理的に火災の原因になるものを排除するのが有効です。

まとめ
- 暖房器具
- 収れん
いかがだったでしょうか^^
毎日忙しくて、なかなか火災ばかりに気を取られてはいられないかもしれません。
でも、どんな火災が起きやすいのかを知っておけば、普段から意識するポイントが変わってくると思います。
ほんの少しずつでも、 日頃から火災を予防する意識を持っていることが大切です。
というわけで、今回は以上です!

はじめまして
冬のこの時期だからこそ起こるというのがわかりました。
収れん気にしていませんでした
これから気をつけます。
ありがとうございます
実は僕も消防署で働くまで気にしたことありませんでした・・。
収れんは日差しを遮れば防げるので、レースのカーテンなどでも十分に効果的です!
「日差しの強い夏じゃなく、太陽の位置が低い冬に起こりやすい」というのは盲点ですよね^^;